外国人材を受け入れる前に確認してみてください

  • 職場の全員(経営層・現場レベル)、外国人従業員と一緒に働くことを歓迎していますか?
  • 上司になる方は、外国の文化や考え方に理解がありますか?(少なくとも興味がありますか?)
  • 外国人従業員が担当する予定の業務は、専門的なもの・やりがいのあるものですか?

一つでも「いいえ」がある場合、外国人材を受け入れる前に、どうかこのページを最後までご覧ください。

外国人材が活躍できない職場の特徴

以下に挙げるものは、外国人材が活躍できない(辞めてしまう可能性が高い)職場の特徴です。

  • 職場の居心地が悪い
  • 上司のマネジメント力不足で不満がたまる(上司のマネジメント方法が今までと同じ)
  • 仕事にやりがいを感じない

先ほどの質問で一つでも「いいえ」があった場合、外国人材が転職してしまうかもしれません。。。

職場の全員(経営層・現場レベル)、外国人従業員と一緒に働くことを歓迎していますか?

「外国人が嫌いな人がいます」「まったく興味がない人がいます」

外国人従業員を歓迎していないムードが職場に漂う

外国人が孤立

職場の居心地が悪い

転職

上司になる方は、外国の文化や考え方に理解がありますか?(少なくとも興味がありますか?)

「いいえ。日本で働くんだから日本人と同じ扱い(指示の出し方も含めて)で問題ない。」

上司が外国人材に理解がない
・「同じ人間なんだから、特にやり方を変える必要はないだろう」
・「日本に住んでいるので、日本人のやり方を理解しているはずだ」
・「ずっとうまくやってきたので、これまでのやり方を変えない方がいいだろう」

上司のマネジメント方法が今まで(日本人のきの職場環境)と同じ

上司のマネジメント力不足で不満がたまる

転職

外国人従業員が担当する予定の業務は、専門的なもの・やりがいのあるものですか?

「いいえ。どちらかといえば専門的ではないですね。日本人がやりたがらないような単純作業もあります。」

モチベーションが上がらず、スキルアップもできない

仕事にやりがいを感じない

転職

【技能実習ビザ】以外は、基本的には転職が可能です。つまり、苦労して雇ったとしても退職してしまう可能性があります。

想像してみてください。

入社して3カ月後、外国人従業員がいいました。
「今月でやめたい。次の仕事は決めてあります。」

この時、どう思うでしょうか?「外国人は勝手だ!もう雇わない!」と思うかもしれません。
その結果、また日本人のみの求人を行うが、まったく応募がない。。。
これでは、人材不足は解消できません。

このようにならないためにも、受入れ態勢を変える(カスタマイズする)必要があります。全てを変える必要はありません。

イメージとしては、仕組みの2割をカスタマイズするような気持ちが大切です。

80%(これまでと同じ)
20%

この20%の部分を【日本人との違い】を踏まえてカスタマイズする流れになります。

従来の受入れ態勢をカスタマイズしましょう!

  • 外国人材雇用の重要性を社員全員に共有
  • 適切な人物を上司に選定
  • 仕事のメリットを感じさせる仕組み
  • 孤立させない仕組み
  • 異文化理解の教育・研修

上記の内容は、日本人だけの職場環境であっても大事なことだということは、皆さま理解されています。ただ、相手が外国人材となった場合には、目的は同じであっても少しの工夫が必要な場合があります。

外国人材雇用の重要性を社員全員に共有

初めて外国人材を受け入れる会社でよくあるのが、外国人材に対する意識の差が経営層と現場レベルで大きくかけ離れているケースです。トップダウンで受け入れを決めたが、現場は全く聞いていなかった。このようなケースは多くあります。

現場では受入準備が十分にできず、ネガティブな意識が蔓延してしまいます。この状態で外国人材と円滑なコミュニケーションを図れるはずがありません。その結果、外国人材が職場内で孤立する状況となってしまいます。

新しく外国人材の受入を決めたときは、経営者がまず、外国人材雇用の重要性を社員全体に伝えましょう!

  • 外国人材の受入をなぜ決めたのか
  • 会社にとって外国人材の受入がいかに重要か
  • 今後、社内で外国人材とどのように協力して働いていくか

適切な人物を上司に選定

適切な人物とはどんな人物でしょうか?例えば以下のような点が挙げられます。

  • 異文化を理解しようとする人物かどうか(理解したいいう気持ちで十分です)
  • 差別的な意識を持っていない人物かどうか
  • 説明能力がある人物かどうか

まずは、前提として「異文化を理解しようする」「差別的な意識を持っていない」マインドが大事になります。その上に能力として「説明能力」が高い人物かということになります。

ただ初期の段階で一番大事なことは、「異文化を理解しようする」マインドだと思っています。このマインドさえあれば、時間はかかっても多くの場合はよい関係を築けていける例が多いと感じています。

説明能力に関しては、別ページ【異文化コミュニケーション特集】を作成する予定ですので、少しお待ちください。

仕事のメリットを感じさせる仕組み

技術・人文知識・国際業務】【技能】などは、専門的な知識や経験が必要であるため、業務自体に自然とやりがいを感じることができます。しかし、特定技能ビザの一部ではいわゆる単純労働への従事も解禁となっています。そのため、仕事にやりがいを感じることができない結果、モチベーションが上がらないこともあります。

モチベーションというといろいろな解釈がありますが、ここでは、「目の前の仕事に対する積極的な動機付け」とお考え下さい。皆さんもそうだと思うですが、やりがいのある仕事はやっていて楽しいですよね?

外国人材日本の企業で働く理由は様々です。金銭的な面もありますが、高い技術力(サービス力)を吸収するために働いている外国人も多いと思います。そのような外国人材に有効なことは、今やっている仕事で得られるメリットを理解してもらうことです。

仕事に対するメリットをきちんと理解すると、目的意識が生まれ、モチベーションが上がります。その結果、仕事に対してより積極的になります。そして、それを見ている周りの日本人にもいい影響が出てきます。このサイクルが広がって会社組織全体の活性化にもつながります。

メリットを伝える時には、具体的に伝えることがポイントです。日本では「仕事は背中を見て覚えろ」的な文化がありますが、外国人には一切通じません。そのため、いざ具体的に伝えようと思ってもうまく説明できないことが多々あることに気づきます。

外国人材が就業する前に、言葉やチャート・イメージ図を使って説明できるように準備しておくことも大切です。

孤立させない仕組み

職場の居心地が悪いと感じさせないためにも、孤立させないことが大事です。これは、「ちゃんと●●君とコミュニケーションとってね!」などと日本従業員に言葉で伝えてもあまり意味がありません。孤立させない仕組みを作ることが大切です。

  • 同じ国籍から複数人を採用する
  • 仕事以外のコミュニケーションの機会をつくる

同じ国籍から複数人を採用する場合の注意点は、1つの国籍から大量に採用しないようにすることです。例えば、必要な外国人材が5人いる場合に、全てを同じ国から採用することを避けてください、ということです。同じ国籍の人間で集まってグループができると交流がうまくいかなくなるケースがあります。その中にいれば楽ですので。そうなると、日本語も上達しないためグループのリーダーとだけ話をするようになってしまいます。

仕事以外のコミュニケーションの機会をつくる場合の注意点は、最初のうちは会社として率先して場を設けることです。飲み会や社内サークル、イベントなどを業務に支障が出ない程度に企画することをお勧めします。。交流が進んでいけば、従業員同士(日本人と外国人)で自然発生的に飲み会や集まりが行われるようになると思います。

異文化理解の教育・研修

一番大事なことは、「違う」ということを理解してもらうことです。「人間なんだから、分かり合える」などというのは、ありえないと思った方がいいと思います。会社組織における「仕事」対するものはその傾向が強いと感じます。。日本人同士でもそうだと思いますが、人間は経験や価値観が違います。しかし、日本人の場合は、日本文化という軸があるため理解がしやすいという側面があります。

一方で外国人の場合は、文化自体が全く異なります。つまり、文化や経験の上に成り立つ価値観が全く異なります。

そのために、理解しようとする努力が必要になります。ここでは二つを挙げます。

  • 日本人(上司や同じ仕事をする従業員も)が、外国人材に対する指導やコミュニケーション方法を学ぶ研修の利用
  • 外国人材が、日本の会社の働き方や日本人の特性を学ぶ研修の利用

特に、指示を出す直属の上司は必ず研修を受けるべきだと考えています。

最近では、「外国人に伝わりやすい日本語を勉強しよう」「やさしい日本語を覚えよう」という動きが活発になっています。研修費用の高いコンサル会社に依頼しなくても、研修機会はたくさんあります。

ここまで外国人材に気を遣う必要がある?

もちろん、外国人材はお客様ではありませんので、必要以上に持ち上げる必要も気を遣う必要もないと思っています。しかし、今後の日本にとって外国人材は必要不可欠です。

皆さんにとって、一緒に働く同僚は仲間ですよね?仲間だからと言って何も気を遣わないわけではないと思います。外国人材も仲間です。ただ、仲間になるまでに少し時間がかかるのです。その時間を少しでも短縮して、早く会社全体を活性化させるためにも、今回紹介した仕組みづくりを試してみてください。

最後に(さいとうの独り言)

私がまだ駆け出しだったころの話です。

ある一人のマレーシア人男性のエピソードです。

彼はとても頭のいい男性でした。

ただ、少し自分の気持ちを表現することが苦手な印象を受けました。そして、少し緊張しやすいところがありました。

経理担当として雇用されたのですが、数カ月で退社してしまいました。

退職して数日後、家の近くのカフェで会うことになりました。

「くやしい。。。かなしい。。。」

「もう日本に来ません。。。」

彼は泣いていました。

私は業務に忙殺されて、彼が実際にはどのような環境で働いていたのか、考える余裕もありませんでした。

誰が悪かったのでしょうか。

外国人材の彼だったのか。受入企業だったのか。就労後に適切なサポートができなかった私なのか。

それぞれに言い分があると思います。きっと双方が少しだけ歩み寄ることができれば回避できたのかもしれません。

20年前に比べて、日本という国の価値が相対的に下がってきていることは事実です。

そんな中で日本を選んでくれた彼に、そしてその外国人材を初めて受け入れた企業に対して、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

それ以来、ハル行政書士事務所では、ビザサポートだけでなく、外国人材と受入企業がWin-Winとなるようなサポートにも力をいれています。

こんなことはウェブサイトに書かない方がいいと思うのですが、自戒の意味も含めてこのコンテンツの最後に書きました。

長文、失礼いたしました。

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